2012年 9月26日
関西電力株式会社
社長 八木 誠 殿
原発をなくし、自然エネルギーを推進する
大阪連絡会(略称:原発ゼロの会・大阪)
世話人代表 金谷 邦夫
大阪市中央区内本町2-1-19 内本町松屋ビル10 370号
大阪から公害をなくす会気付 電話(06)6949-8120
大飯原発3・4号機の即時停止と
脱原発・自然エネルギー推進への根本的転換
を求める要請書
初秋の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、貴社と政府は、今年の夏を前に「大飯原発を再稼動しなければ重大な電力不足が生じ、計画停電を実施せざるを得ない」として、大飯原発3・4号機の再稼動を強行しました。関西広域連合の各首長も貴社の“電力不足”論の前に、“夏場限定”というスタンスで再稼動を容認しました。しかし実績は、関西電力の原発なしの供給力2,717万キロワット(『中日新聞』8月1日)に対し、最大需要は8月3日の2,681万キロワット、次が7月27日の2,672万キロワットで、大飯原発の再稼動なしでも電力は十分足りたことを実証しました。大飯原発再稼動の必要性として貴社が公表した『今夏の電力需給見通し』と実績を比較すれば、原発なしの供給力は実績より150万キロワットも少なく、需要は実績より300万キロワットも多く見積もられ、もって“電力不足”が描き出されていたことが明らかとなりました。私たち大阪府民はもとより、近畿の行政も議会も完全に貴社の机上の空論に騙されたことになります。全く許せない話です。
また、貴社と政府は原発の「安全性が確認された」として再稼動を強行しましたが、その後に発表された国会事故調査委員会の『報告書』を見るまでもなく、福島原発事故の真相はまだ全く未解明です。32万人にも及ぶ避難者の生活は全く目途が立っていません。大飯原発について言えば、免震事務棟やフィルター付きベント装置の完成は3年後の計画です。こんな状況の下で“安全性を確認した”などということは、審査がまさに実質審議抜きの再稼動容認のための“儀式”でしかなかったことを示しています。
福島第1原発の事故は、原発がいったん苛酷事故を起こせば制御できない、他の事故とは比較にならない大事故となること、また使用済み核燃料の最終処理方法がなく、放射性廃棄物は溜まる一方という“未完成の技術”であることを明らかにしました。放射性廃棄物がどんなに危険なものであるかは福島原発事故で実証されました。そんな危険な放射性廃棄物の管理を何万年、何十万年もさせるなどという権利は誰にもありません。子どもたちに“負の遺産”を残すことは何人も許されません。
以上の趣旨から、私たちは貴社に対して次のことを要請しますので、取締役会など然るべき機関でご検討のうえご回答下さいますようお願いします。
1.関西電力は、大飯原発の3・4号機を即時停止すること。また、他の原発の再稼動方針を撤回し、停止中の原発はいっさい再稼動せず、廃炉にすること。
2.関西電力は、脱原発・自然エネルギー推進を社の基本方針にし、原発からの撤退と自然エネルギーへの転換を強力に推し進めること。
以上