原発ゼロ大阪 発足2周年記念のつどい
開会のあいさつ

原発ゼロの会・大阪 
世話人代表  金谷邦夫

 原発をなくし、自然エネルギーを推進する大阪連絡会は設立2周年を迎えました。

 この2年間原発を巡る情勢はめまぐるしく展開しています。

 特にこの1年間では、昨年末の衆院選で自民党が政権復帰し、原発を基本エネルギーとして位置付け、原発輸出を「成長戦略」の基幹に据えるという戦略で原発推進政策を遮二無二すすめ、さらにこの動きを参院選での「衆参のねじれ」解消以後いっそう強めています。その延長線上に、IOC総会での汚染水の「under control」発言があります。しかしこの発言は、国民の7割以上が「そうは思わない」とアンケート回答しているように、政府の発言への信頼感を一層失わせる結果も引き起こしています。

 原子力ムラの利益第一の動きは極めて大きなものがありますが、内部には矛盾を抱えています。原発輸出を位置づけたのは、2006年の「原子力立国計画」で、作ったのは小泉純一郎政権の時です。その小泉元首相が「脱原発」を公言し始めています。きっかけはまだ世界で唯一の核廃棄物採取処分場フィンランド「オンカロ」のドキュメントを見、またこの8月にこの施設を原発メーカー東芝・日立・三菱重工業三社の代表と一緒に訪問してその意を固めたという報道がなされています。また自民党の現役組の中でも政権の突っ走りに対して、抑えようという動きも出ています。

 こうした動きに過度に期待するわけにはいきませんが、こうした反原発、脱原発は大いに歓迎するものです。

 一方、自然エネルギーの固定価格買い取り制度が昨年7月に導入されてから取り組みは進んでいますが、まだまだいくつかの問題を持っています。その普及の障害物は原発推進政策であり、また電力改革が進んでなくて電力会社の地域支配、発送電未分離なども大きな障害因子になっています。この自然エネルギー普及への、EUと日本の取り組みの差が、地球温暖化効果ガス排出に対して大きな差が生じる結果にもなっています。EUはすでに京都議定書の目標を達成しつつありますが、日本は二酸化炭素ガス排出量を1990年より増やしかねない状況になっています。

 私たちは、原発問題で未来世代にこれ以上の負荷をかけないよう、そして化石燃料に頼らず、地域にあるエネルギー源を活用する自然エネルギーの利用普及に向けて、いっそう取り組みを強化しなければなりません。

 運動が長期化するなかで、この1年の間に、直接街頭行動に参加する人の数は減っていますが、世論調査に表れているように過半数の人が脱原発の思いを持ち続けています。

 私たちはこの思いに依拠しながら粘り強く運動を展開していく事を確認していきたいと思います。 本日の大島先生の記念講演がその糧になりますことを期待して開会のあいさつとさせていただきます。

2013.10.20

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