原発の再稼働ストップと脱原発・自然エネルギー推進の
政治決断を求める特別決議

 福島第一原発の事故から4年2ヵ月が経過しました。しかし、今日に至るも原発事故の真相は解明できず、汚染水問題がますます深刻という事態が続いています。廃炉への道も全く手探りの状態です。未だに12万人もの人が避難生活を強いられ、仮設住宅に住む人たちの間では健康への不安が広がっています。
 原発は正に“最大の環境破壊”であり、“最悪の公害”です。原発は停止し、廃炉にする以外にないプラントです。

 ところが電力会社と政府は、相変わらず原発を再稼働させようと必死の巻き返しを企て、原子力規制委員会も政府の意向を汲んで川内原発を皮切りに高浜原発、伊方原発へと次々に新規制基準への「適合」の判断を出しています。さらに政府は「エネルギー基本計画」で再び原発をベースロード電源と位置づけ、経済産業省の「エネルギーミックス」の議論では、2030年の電源構成として「原発で2割を賄う」という案が打ち出されています。これでは原発の稼働が固定化されます。

 日本は既に1年8カ月にわたって原発稼働ゼロを続けています。それでも電力は足りており、原発がなくてもやっていけることが実証されています。地震や津波、火山の多い日本では、原発にとって安全な場所はどこにもありません。いったん事故が起こった時のこと、事故が起こらなくても10何万年も管理しなければならない放射性廃棄物のことを考えれば、原発はなくす以外にありません。国民の多くも原発ゼロを望んでいます。

 それにも関わらず原発の“再稼働”や海外輸出が叫ばれるのは、原子力発電が製造から設置、稼働、メンテ、廃炉、輸出まで巨大な産業になっていて、ここから利益を得ている人たち、ここの利益にぶら下がる人たちが政府や政治家に稼働を働きかけ、政府や政治家がその意を汲んで動いているからに他なりません。彼らにとっては、自分たちの経済的利益こそ最優先であり、“後は野となれ山となれ”と言う全く無責任な態度です。

 大飯原発の運転差止め訴訟で福井地裁は、国民の生命とくらしこそ憲法上最も大事なものであり、これを脅かすものはその可能性が“万に一つ”であっても許されないと断じました。高浜原発運転差止め仮処分では、関電が主張する地震発生の地域差について日本では意味を持たないこと、新規制基準は「緩やかすぎ、これに適合しても原発の安全性は確保されない」と述べました。

 今、政府や電力会社に求められていることは、国民世論とこうした判決を真摯に受け止め、脱原発を政治決断し、原発ゼロ・自然エネルギー推進を強力に推しすすめることです。私たちは、政府、電力会社、各自治体に対し、原発の再稼働ストップ、脱原発・自然エネルギーの推進を強く要求します。
 右決議します。

2015年5月25日
原発ゼロの会・大阪 第1回総会

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