10.11緊急抗議行動 アピール

2019年10月11日

 2019年9月27日に報道され、10月2日の関西電力調査報告書によって明らかになった、原発工事受注企業・原発立地自治体との不適切な金品授受に対し、私たち市民は関西電力に対し大きな失望と怒りを禁じえない。

 関西電力の報告書では、元助役から関電幹部に、現金をはじめスーツ券や金貨、小判型の金などが頻繁に届けられていた事実が示されている。しかも原子力担当部門を中心にばらまかれ、原子力事業本部の要職にいた2人にはそれぞれ1億円超という桁外れの金品が提供されていた。これは、関電と原発立地自治体の“有力者”との癒着が長きにわたって形成・温存されてきた異常な実態の一端を浮き彫りにしている。しかし、その報告書では全容解明がされず、国民が支払った電気料金を原資とする原発マネーの不透明な流れの解明には程遠い内容となっている。

 関西電力は私たちの関西の市民生活を支える公共の役割を持ち、原発問題では、その安全性が大きく疑問視されている中で消費地を離れた若狭湾沿岸の原発立地市民に大きな負担をかけている。今回の事件は立地、消費地いずれの市民に対しても大きな背信行為であり、私たちは到底これを許すことができない。

 また、安倍政権がすすめる原発再稼働という「国策」の中で噴き出した重大な疑惑は、再稼働の前提を揺るがす大問題である。4日の所信表明で、関電原発マネー疑惑に一言も触れなかった首相の認識と姿勢が厳しく問われるべきである。

 私たちは、関西電力に対し、今回の不適切な金品授受問題について、利益供与関係も含め、その全容を解明し、金品を授受した経営幹部は即時退陣することを求める。その上で、不正な利益供与関係の下で成り立っている原子力発電を即座に停止しを求めると同時に、人類と相いれない原子力発電の廃止で原発ゼロの日本を求めるものである。

 そして、9月に行われた東京電力福島第一原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ汚染処理水(以下、汚染水)について、「科学的根拠があり、自然界レベルと比べて全く影響がないなら、政治家が(受け入れを)決断すべきことだ」との大阪湾での放出に関わっての松井市長、吉村知事の暴言では、福島第一原発の汚染水が、あたかも今でも放出することが可能かのごとき印象を発信しており、府民・国民に間違った情報を伝える重大な問題である。東電と国が望む“海洋放出”の呼び水になりかねない発言である。例え前提条件を付けたとしても“原発汚染水の大阪湾放出”を容認するなどと発言することは、絶対許されることではない。松井市長、吉村知事の発言に強く抗議するとともに、発言の撤回を求めるものである。

10・11関西電力の原発マネー還流問題、松井市長らの
“原発汚染水大阪湾放出容認” 発言に対する緊急抗議行動参加者一同