【声明】
福島第一原発事故の反省と教訓を踏みにじり「安全に暮らす権利」を脅かす
日本政府の「原発回帰」に怒りをこめて抗議します
政府は、12月22日「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」を開き、原発の新規建設推進や60年超の運転を認めることなどを盛り込んだ脱炭素社会実現のための基本方針と今後10年間の工程表を決定しました。東京電力・福島第一原発事故の反省と教訓を踏まえず、わたしたちひとりひとりの、将来にわたり安全に暮らす権利を脅かす方針決定であり、断じて許すことはできません。
政府方針はロシアによるウクライナ侵略によりエネルギー情勢が緊迫化していることを口実に原発を活用するとし、これまで「想定していない」としてきた原発新設について「開発・建設に取り組む」「廃止決定した炉の建て替えを対象として具体化をすすめていく」と明記しています。また、福島第一原発事故を教訓として踏まえて定められた「原則40年、例外的に60年」と定める現行の運転期間ルールを変更。審査などで休止した期間を除くとする、運転期間を延⻑する法改正を2023年の通常国会で提案することを方針としています。
原発はひとたび過酷事故を起こすと、くらしと生活に及ぼす影響は計り知れません。福島では現在なお、事故現場の復旧はままならず、いまだに多くのひとびとが故郷に帰還することができていません。また「原発の安全性」についての科学的根拠のある抜本的な技術革新があったわけでもありません。政府の「原発回帰」はエネルギー逼迫の不安に乗じた、なし崩し的な方針転換です。
電力逼迫は「自然エネルギー・再生可能エネルギー活用」と、国⺠的な議論と合意を経た電力のつかい方の見直しを行うことこそ解決の道です。大規模災害のときは即時停止、ほんの少しのトラブルでも即時停止・⻑期停止する原発はエネルギー逼迫の原因となっても解決方法とはなりえないことは明白です。
私たちは国⺠の不安に乗じ、国⺠の「安全なくらし」を二の次にし、原発に固執し続け、さらにそれを拡大しようとする日本政府の決定に対し怒りを込めて抗議します。そして福島第一原発事故被害者にも連帯しながら、大阪に暮らす人々ともに原発をなくし自然エネルギーを推進する活動を強めていくことを改めて表明します。
2022年12月23日
原発をなくす自然エネルギーを推進する大阪連絡会
(原発ゼロの会・おおさか)
事務局 庄司 修
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